痛みにウソをつかない診療

レントゲンに異常があるから痛いのでしょうか？？
レントゲン所見はずっと以前からの積み重ねの結果であり、もちろん診断をつけるための重要なツールの一つです。
しかしながら、運動器の痛みの多くは、レントゲンで異常があるから痛いのではなく、

• 運動器に炎症が起こっている（炎症性疼痛）
• 筋や関節の固さ、動きの悪さ、連結の悪さなど運動器の機能不全（機能性疼痛）
• 筋・腱・靭帯断裂など、運動器の損傷（解剖学的疼痛）

が、組み合わさり痛みを出していると考えています。
ですから、当院では「レントゲン上、変形があるから痛いのです。」であったり、「レントゲンは問題ないので心配ありません。」といった従来ありがちな診断ではなく、画像診断よりも、機能診断を重視した、患者様の痛みウソをつかない診療を大切にしています。

「では、湿布・痛み止めを出しておきます。」からの脱却

機能診断により、痛みの原因を突き止めても、湿布と痛み止めの内服で全身に痛み止めを届ける診療で良いでしょうか？
もちろん、湿布と痛み止めは多くの方に有用な治療であり、当院でも処方の中心です。
しかしながら、より診断を正確なものとし、より局所に低侵襲に治療を行うために、当院では超音波（運動器エコー）を使用し、リアルタイムでの診断し、ハイドロリリースや筋膜リリースなど、即時に局所への治療介入も、患者様と相談しながら積極的に行います。
局所の痛みは局所で治す、湿布・痛み止めで誤魔化さない治療もご相談ください。
また、リハビリテーションを治療の核と考え、局所治療に加え、維持・再発予防、機能障害に対する全身へのアプローチを行い、痛みの出にくい身体作りをサポートいたします。

Small Orthopedics

その際、重要となるのが、少数精鋭で質の高いセラピストとの意思統一されたチーム医療であると考えます。当院は、診察室とリハビリ室が隣り合わせで、かつインカムを使用し情報を共有し、密に連携して治療にあたります。
また、医師からの一方通行の指示でなく、セラピストから医師への治療提案など、互いがプロフェッショナルとして協力し、患者様の問題解決にあたります。

あらゆる世代の整形外科診療

新生児、少年・少女

小児運動器管理指導者として、適切な管理・指導を行います。
ex.) 新生児検診：先天性股関節脱臼
学校二次検診：側弯症、運動器疾患

アスリート

日本スポーツ協会公認スポーツドクターとして競技復帰までサポートいたします。

ご高齢の方

整形外科専門医・日本医師会認定健康スポーツ医として、健康寿命の延長を目指します。

超音波診療

運動器エコーを使用し、侵襲なくリアルタイムに、骨・筋・腱・靭帯・末梢神経まで観察が可能であり、必要に応じて即時治療介入も可能となります。
高周波プローべが開発され、画像が鮮明に見えるようになったことで注目を集め、今や整形外科領域では標準的な治療になりつつあります。

産前産後整形外科

骨盤の歪みをはじめ、腱鞘炎やばね指、肩こり、腰痛などあれど、妊娠中・授乳中であるため、痛み止めが飲めないでお困りのお母さんは多くいらっしゃいます。
当院では、前述の超音波エコーを利用し、局所の痛みに対し、ハイドロリリース（局所麻酔薬を身体に影響のない濃度に薄め、局所に注射を行うことで痛みをとる処置）をおこなったり、リハビリテーションによる介入を行うことで、痛みを除去・緩和します。
お薬を飲みにくい産前産後のお母さんを含め、あらゆる世代のサポートをいたします。

頚椎（くび）の症状

• 腕～指が痺れる・痛む：頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニア
• ふらつく、箸が持ちづらい、ボタンが止めにくい：頚髄症、後縦靭帯・黄色靭帯骨化症
• 首が傾く：斜頸
• 腕を上げていると痺れる、だるくなる：胸郭出口症候群

腰椎（こし）の症状

• 背骨が曲がっている、肩の高さが違う、学校の検診で指摘された：側弯症
• お尻・脚が痛む、痺れる、足が上がらない：脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア
• 腰痛、お尻や太ももの痛み：腰椎分離症・すべり症
• しりもちをついて転倒した：腰椎圧迫骨折

肩

• 肩こり：頸肩腕症候群
• 肩が疼く、挙がらない：五十肩（肩関節周囲炎）
• 肩が引っかかる、力が入らない：肩腱板断裂
• 昨日、今日から肩が疼く、少し動かしただけでも激痛：石灰性沈着性腱板炎（石灰性腱炎）
• 肩がはずれる：反復性肩関節脱臼
• 力仕事をした後、腕が挙がらない、ビールジョッキが持ち上がらない：肩甲上神経麻痺（ガングリオン）

上肢（腕・肘・手首）

• 小指が痺れる、肘を曲げているとひどくなる：肘部管症候群
• 肘が痛い、手首をそると特に痛む：上腕骨外上顆炎（テニス肘）
• 投球で痛む：野球肘
• 肘の動きが悪い、引っかかる、可動域制限：変形性肘関節症

手、指

• 転倒して手をついた：橈骨遠位端骨折
• 手のひらが痺れる：手根管症候群
• 少し前に手をついて転倒した、なかなか治らない：舟状骨骨折
• 手首が痛い：腱鞘炎（ドケルバン病）
• 手、手首に1cmほどの腫瘤：ガングリオン

股関節

• 足の付け根（股関節）が痛い、足をひきずる：変形性股関節症
• 股関節の開きが悪い、太もものしわの左右差、検診で指摘された：発育性股関節形成不全、臼蓋形成不全
• 少し前から股関節が痛く、歩くときに足をひきずる：特発性大腿骨頭壊死症
• 転倒してから股関節が痛む、歩けなくなった：大腿骨頚部骨折
• ランニングやキック動作で痛む：鼠径部痛症候群
• しりもちをついて転倒した：骨盤骨折

太もも

• 走った際に痛めた：大腿四頭筋肉離れ、大腿二頭筋肉離れ

膝

• 膝・すねが痛い、O脚になってきた、水が溜まる：変形性膝関節症
• 引っかかる、膝が痛い、水が溜まる：半月板損傷
• 膝が外れる、ぐらつく、腫れる（関節内血腫）：靭帯損傷／断裂前十字靭帯、後十字靭帯、内外側側副靭帯
• スポーツで痛む、引っかかる：離断性骨軟骨炎
• 成長期に膝のお皿の下が痛む：オスグッド病
• 膝のお皿が外れる、ズレる：膝蓋骨脱臼
• O脚・X脚

足首

• 足首を捻った：足関節捻挫、足関節外果骨折、足関節靭帯損傷／断裂、腓骨筋腱脱臼、前距腓靭帯、脛腓靭帯、踵腓靭帯、三角靭帯、二分靭帯
• 後ろから蹴られたように感じた：アキレス腱断裂
• スポーツ後に足関節が痛む、腫れる：距骨骨軟骨損傷

足部、足趾

• 母趾が痛む、曲がっている：外反母趾
• 足の裏が痛む、扁平足：後脛骨筋腱不全、足底腱膜炎
• 生まれた時から足が内側を向いている：先天性内反足
• 趾（足の指）が痺れる、痛む：モートン病

神経麻痺

• 頚髄症
• 神経根症
• 肩甲上神経麻痺
• 橈骨神経麻痺
• 尺骨神経麻痺
• 正中神経麻痺
• 前骨間神経麻痺・後骨間神経麻痺
• 腓骨神経麻痺

骨粗鬆症

（背が縮んできた、背中が丸くなってきた、手首や腰、大腿骨の付け根を骨折した　など）

ロコモティブシンドローム

関節リウマチ

骨折を予防するために食事・運動・薬物療法を並行して行います。
骨粗鬆症による骨折を予防するためには、治療の継続が重要となります。

日本骨粗鬆症学会認定・骨粗鬆症マネージャー

当院では、日本骨粗鬆症学会認定・骨粗鬆症マネージャーが在中し、地域の基幹病院と連携して、あなたにとって最適な骨粗鬆症治療が継続して行えるようサポートいたします。

骨粗鬆症の評価において重要である骨密度測定について

（骨強度＝骨密度＋骨質）
骨密度の測定は、腰椎・大腿骨での評価が正確と言われています。
当院では、DXA（デキサ）法により、骨密度を正確に評価した上で、骨粗鬆症ガイドラインやEBM(Evidence Based Medicine)に沿って、患者様にとって最適な治療の選択肢をご提案いたします。
また、有効な治療を継続いただけるよう、血液検査で骨形成・吸収マーカーを評価し、治療がうまくいっているか効果判定を行いながら治療にあたります。

骨粗鬆症による大腿骨頚部骨折・圧迫骨折は、運動器の機能低下のみならず、生命予後短縮への影響が明らかとなっており、お薬や注射での治療に加え、食事、運動療法など、骨折予防に向けトータルにサポートいたします。

骨密度を6%上げれば、40％骨折を予防できるとも言われており、生涯骨折しない、またはこの度骨折してしまった方には、今回の骨折を最後の骨折にすべく、治療に向き合っていただける環境を提供いたします。